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アースデイ東京ユースとは? Vol.2  SDGsアワードに参加して、自分の世界が広がった

アースデイ東京ユース(EDY)は、日本各地の中学生から大学生までが参加するアースデイ東京のユースコミュニティ。アースデイ東京のバックアップのもと、自分たちがやってみたいSDGsに関連したアクションを、企業や行政と連携して社会実装することで「新しいつながり、新しい当たり前」を創る団体です。
全国で活動する学生団体や個人が集まるEDYの軸となる活動が、「アースデイ東京ユースSDGsアワード2022」((主催:アースデイ東京、共催:アースデイ東京ユース、協力:公益財団法人電通育英会)。2021年に開催された前身となる「全国高校生環境アイデアコンペティション」と「アースデイ東京ユースSDGsアワード2022」のそれぞれに参加した高校生おふたりの声を紹介します。

※アースデイ東京ユースの活動内容を紹介したVol.1の記事もあわせてご覧ください。

青木瑞奈(あおき・みずな)さん・高校3年生(取材時)

青木瑞奈さん:EDY次期副代表。2021年の「全国高校生環境アイデアコンペティション」に参加

“心のよりどころ”のようなコミュニティ

環境アイデアコンペで優勝した「雪上自転車の普及」

 2021年11月に開催された「全国高校生環境アイデアコンペティション」に、地元の高校生団体kikkakeとして参加したことが、アースデイ東京ユース(EDY)に関わるきっかけになりました。SDGsの「11.住み続けられるまちづくりを」を掲げて私たちのチームが考えたアイデアは、「雪国うつ」を予防するための雪上自転車の普及でした。 

 南魚沼市は自殺率が高いというデータがあるのですが、それはなんでだろうと思ったときに、冬の日照時間の短さによる「雪国うつ」が要因のひとつだという話があります。その予防には有酸素運動も効果的だと言われているのですが、豪雪地帯なので冬はスキーとスノボ以外にできるスポーツがないんです。

 それで、雪のある冬にも外に出て日を浴びながら自転車ができたらいいよね、とスキー場のゲレンデなどの雪上で乗れる「ファットバイク」を普及させようと考えました。もともと南魚沼市は「南魚沼市自転車活用推進計画」を策定するなど、自転車を推進した観光促進に力をいれている場所。冬にも自転車に乗れたら、「雪国うつの予防」「自転車の街・南魚沼のアピール」「新たなスノーアクティビティの創出」の3つが実現できると考えました。

ゼロからイチをつくる経験が自身になった

 このアイデアでコンペティションの総合優勝をもらったあと、私たちはファットバイク購入のためのクラウドファンディングを実施。20万円の目標金額は最初の3日間で達成しました。さらにアイデア実現のために行政にプレゼンをしたり、スキー場でファットバイクをPRするイベントを行ったりしてきました。

 最初の年は、「なかなか頑張っても進まないな」と感じたこともありましたし、メンバーの受験と重なって活動ができない時期もあったのですが、いまでは南魚沼市の生涯スポーツ課が電動ファットバイクを購入して民間スキー場に貸し出しを行うなど、私たちのアイデアを受け止めて積極的に普及に取り組んでくれています。

 この春から、私は大学進学で県外に出てしまうのですが、今回のプロジェクトを通じて、地元である南魚沼市は本当にいいところだな、とあらためて感じるようにもなりました。地域内外のたくさんの大人たちが協力してくれて、アドバイスをくれたり、人を紹介してくれたりしました。今回のようにゼロからイチを生み出す機会はなかなかありません。自分の自信にもなったし、貴重な体験ができたことに本当に感謝しています。

kikkakeのメンバーと雪上自転車をPR

EDYメンバーの活動を知るだけでも、自分のためになる

 このコンペティションをきっかけに、私はEDYの活動にも参加するようになり、この春からは副代表を務めます。コンペティションの参加者側だったとき、同世代なのにしっかりと大きなイベントを運営するEDYのメンバーたちの姿がとても恰好よく見えたのを覚えています。でも、実際に入ってみると、良い意味でみんな自分と同じ普通の高校生・大学生で、いっぱいいっぱいになりながらも一生懸命やっているんだな、という部分も見えてきました。

 EDYでは毎週金曜日の夜にオンラインでミーティングを行っていて、チームにわかれてイベントなどの企画や運営をしています。いまは4月15・16日に東京・代々木公園で開催されるアースデイ東京に向けてEDYでもいくつかの企画を行うので、その準備に追われているところです。

 EDYのメンバーは全国にいますが、九州の島に住む子が地元でごみ問題解決のアクションをしていたり、東京でコスメブランドと組んで容器の回収・リユースをしていたり、将来は議員になることを目指している子もいたりして、メンバーの活動を知るだけでも自分のためになる。EDYは自分の“心のよりどころ”のようなコミュニティという感じです。昨年のいろいろな分野で活躍しているすごい人たちと関われたり、国際的な視点をもてたりするのも、EDYに参加してよかった点です。

自分だけでは環境問題は解決できない、だけどあきらめない

 環境問題に対する意識も大きく変わりました。以前は、「どうやっても環境問題なんて解決できないんじゃない?」と感じていた部分があったけれど、ちょっとずつでいいから、自分にやれることをやろう、と思うようになりました。世界は自分ひとりでは絶対に変えられないけれど、「自分だけでは変えられない」っていうただそれだけのことであって、それであきらめてしまうのは違うなって。

 これからの未来を担うのは私たちですし、さまざまな問題の解決策を考えるときにEDYのようなユースの視点はとても大事だと思っています。副代表としては、これからEDYをもっとメンバーが成長できるコミュニティとして、一人ひとりが役割をもち成功体験を得られる場にしていけたらなって考えています。

 もし環境問題とかSDGsとかで何かやってみたいことがあって、それが体現できる場がなくてムズムズしている中高生や大学生の人がいるなら、ぜひEDYに入ってほしい。行動しないのはすごくもったいないし、行動してみてダメだったとしてもいいと思うんです。ぜひ一緒に活動してほしいです。


今成爽音(いまなり・さわね)さん・高校2年生(取材時)

今成爽音さん:学生団体minamiraiとして「アースデイ東京ユースSDGsアワード2022」に参加。総合優勝・観客賞を受賞。

南魚沼から環境アクションを起こしていきたい

「これって結構ヤバくない?」

 地元である新潟県南魚沼市で、中学生と高校生の3人のメンバーと一緒に「minamirai」という団体を立ち上げて、環境に関する活動を行っています。団体名は「南魚沼(minami)×未来(mirai)」から名付けました。

 minamiraiを設立したきっかけになったのが、「アースデイ東京ユースSDGsアワード2022」(SDGsアワード)でした。前年に開催された、このSDGsアワードの前身にあたる「全国高校生環境アイデアコンペティション」で、同じ南魚沼市の高校生団体が総合優勝していたつながりで、このSDGsアワードのことを知りました。アワードに参加した3カ月の間に、オンラインでさまざまな分野の最先端で活躍している人たちのレクチャーを聞き、パッションをもって活動する高校生たちと議論を深められたことは、私にとってすごく良い刺激になりました。

 実は少し前まで、私にとって環境問題は縁のない遠いものだったんです。でも、学校の授業でSDGsについて学ぶ機会があって、自分でもいろいろと調べていくうちに「これって結構ヤバくない?」と思うようになったんです。とくに危機感をもったのが、プラスチック問題でした。

 分別して回収されたプラスチックがその後どうなっているのか、それまでよく分かっていなかったのですが、日本ではリサイクルされているプラスチックの多くが焼却されていて、それがCO2排出につながっていることを知りました。それから、普段の生活なかでペットボトルは身近な存在ですが、世界で消費されるペットボトルは1秒に数万本という単位。すごい量ですよね。自分は先進国に住んでたくさんプラスチックを消費しているのに、知らないことばかりだったと気づいて衝撃的でした。

若者がSDGsに興味をもつためのアイデア

 SDGsアワードのテーマは「2030年SDGsを達成するために私たちが身近にできるアクション」でしたが、minamiraiは「センイルパーティ」のアイデアで総合優勝をいただきました。SDGsは、私たち世代にとってすごく大切なことですが、まわりの友達と話していても、“ちょっと難しい問題”のように思われていて、関心を持ちにくいのかなと感じていました。そこで、若者が興味をもちやすく、自然にSDGsのことに触れる機会をつくりたいと、中高生の間で人気のある「センイルパーティ」と組み合わせました。

 「センイルパーティ」とは韓国風の誕生日パーティのことですが、風船などを使って部屋を飾り付け、センイルケーキと呼ばれる独特のデコレーションケーキを用意して、その写真をSNSに投稿するのが、同世代のなかで一種のブームになっているんです。だけど、SDGsの視点でみると装飾は使い捨てのものがほとんどだし、ケーキにも環境負荷の高い輸入小麦粉が使われています。そこで、装飾をレンタルサービスにしてリユースできるようにしたり、小麦粉を使わないグルテンフリーのケーキにするなど、私たちなりのサステナブルなセンイルパーティのパッケージを作るアイデアを考えました。

SDGsアワードでの最終プレゼン発表の様子

最初の一歩を踏み出したら、毎日が楽しくなった

 いまminamiraiでは、4月15・16日に東京・代々木公園で開催されるアースデイ東京に向けて、「センイルパーティ」のアイデアを実際に紹介するブース企画の準備をしています。「地球の誕生日」を祝うセンイルパーティをテーマにフォトスポットなども用意して、身近なところからサステナビリティについて考えるきっかけにしたいと考えています。

 いま思うと、私も少し前までSDGsに興味がもてなかったのですが、そのときは「誰かが何とかしてくれるだろう」という気持ちがあった気がします。でもいまは、その「誰か」は自分なんだという意識をもつことが大事だと考えるようになりました。これからもminamiraiでは、南魚沼だからこそできる環境アクションを発信していく予定です。

 アワードに参加して出会った仲間とのつながりから、いま私はほかの団体にも所属して企業と協力してのリユースプロジェクトや、「地球」「平和」「幸せ」をテーマにした「School of the World」のユースコミュニティにも関わるようになりました。サステナブルな社会というのは環境だけではなくて、健康とか幸福度とか、ウェルビーイングとか、さまざまな要素が集まってできるもの。そう気づいたら自分の興味や活動の幅も広がっていきました。

 学校ではこういう活動をしている友達が周りにいなかったので、最初の一歩を踏み出して何かアクションを起こすのは、実はけっこう不安だったんです。でも、いまはアワードに参加したことで広い世界があることを知ることができ、いろいろなことにチャレンジできるようになった。本当に、すごく毎日が楽しいです。

主催:アースデイ東京、共催:アースデイ東京ユース、協力:公益財団法人電通育英会

期間:2022年9月21日~11月2日(オンラインレクチャー)、12月21日(プレゼン発表会)

参加団体:学生医療支援団体 GRAPHIS、学生団体 ACT、ユネスコ部、Progress One、minamirai、高校生ボランティア団体リレート、福岡 United Children、未来守、大学生団体「DI缶(アルミ缶)」、中高生団体 Nexus

総合優勝:minamirai
プレゼン賞
:未来守、ユネスコ部
課題発見力賞: DI缶
ネクストアクション賞:福岡UC
観客賞: minamirai
地球温暖化防止全国ネット賞: DI缶

アースデイ東京ユースでは、随時新しいメンバーを募集しています。興味をもった方は、ぜひアースデイ東京(@earthdaytokyo)か、アースデイ東京ユース(@earthdaytokyo_youth_)のインスタにDMでご連絡ください!