みんなが豊かに幸せに生きられる選択ってなんだろう?事務局2人が語る「地球 1 個分の暮らし」

 

アースデイ東京でも長年発信している、プラスチックゴミの問題、気候変動、フードロス、ジェンダーの問題・・・毎日のニュースでも、このどれかひとつは必ず目にするようになりました。

多々ある社会課題への早急な取り組みが求められているなか、問題を解決していく道しるべとして注目されているのが、国連が出した持続可能な世界を実現するための目標「SDGs(Sustanable development Goals)」です。

その親和性の高さから、アースデイ東京でも2018年から、当日イベントだけでなくSNSや勉強会などで「SDGs」の発信を行っています。

 

地球を想う若者たちの声からできた、市民イベント「アースデイ」

 

 

市民発のイベント「アースデイ」は、地球にあるさまざまな問題を提示し、持続可能な地球を想像し、未来の社会を考える場として、肩書き・年齢・性別・人種・宗教を越えて対話ができる場所であり、行動できるプラットフォームです。

SDGsができる前から、環境保護や社会の多様性、持続可能な経済に積極的に取り組んできた歴史があります。

そもそも「アースデイ」のはじまりは、1970年。ベトナム戦争に反対したアメリカの若者たちが声をあげたことから、2,000万人以上がそれぞれに行動を起こし、アメリカの環境庁の設置や環境法の整備に影響したほどのムーブメントになりました。

これをきっかけに「地球のことを考え行動する日」として 4月 22日に設定された日が「アースデイ」です。

 

 

ここ日本では 2001年に「アースデイ東京」が立ち上がり、毎年4月に代々木公園でイベントが開催されるようになりました。さらに東京だけでなく、今では日本全国の30箇所で開催されるまでに広まっています。

「市民による民主的なイベント開催」をコンセプトに、想いを持った実行委員会で当日が運用され、そのかたちを変えずにずっと開催され続けてきた、アースデイ。オリンピックが開催される2020年には、アメリカのアースデイネットワークは 50周年、アースデイ東京は 20周年を迎えます。

SDGs が目指す世界を実現するために「アースデイ東京」ができること。それは、 “持続可能な未来像” をみんなで一緒に考え、一緒に行動していく道筋をつくること。

20周年を迎えるにあたり、これからアースデイ東京に関わる人たちの “ストーリー” や “持続可能な未来像” について取り上げていこうと思います。

まずは、ミレニアル世代でもあり、事務局スタッフでもある2人にインタビュー。2人が考える “持続可能な未来像”とは。

 

アースデイ東京 事務局長  河野竜二(こうのりゅうじ) 

神奈川県出身、湘南在住。資格スクール運営・専門学校職員・学習塾教室長と教育業界10年間のキャリアで約2000人の進路指導、就職支援に関わり独立。企画団体「LIFE DESIGN VILLAGE」を立ち上げ「TOKYOジビエ」「罠シェアリング」「TOKYO REISM NIGHT」などをプロデュースし、地元湘南では職住近接を実現するための職業紹介「湘南WorK.」を立ち上げる。2017年から日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」の事務局長に就任し、持続可能な社会の実現に向け奔走している。

 

アースデイ東京 SDGs担当/ライター 松尾沙織(まつおさおり)

1984年 東京都武蔵野市生まれ。2011年の震災をきっかけに、当時の働き方や社会の持続可能性に疑問を持ち、働いていたアパレル企業を 5年で退社。「ソーシャルデザイン」という言葉に出会い、NPO法人グリーンズにてライターインターンを経て、編集学校を卒業。エコでサステナブルな飲み会を開催する「green drink Japan」事務局を経て、「green drinks Harajuku」オーガナイザーを務める。現在はフリーライターとして、さまざまなメディアで「SDGs」や「サステナビリティ」を紹介する記事を執筆。また、国際環境 NGO 350.org Japanの「ダイベストメントコミュニケーター」として、気候変動の問題を広める活動をしている。

 

 

そもそも環境問題に関心を持ったきっかけは?

 

河野 10年ほど前にサーフィンを始めたことがきっかけです。仕事が休みの日は、ほとんどの時間をサーフィンに費やす生活が続いていて、地元湘南を中心に千葉、茨城、福島、静岡、バリ島、オーストラリア、ハワイ、プーケットなど、海外にサーフトリップに出かけたりと「海」を中心とした生活が続いていました。

そのなかで、気候変動やゴミの問題でサーフィンが出来なくなっている海が存在することを知って、たくさんの恩恵を受けてきた海を守る活動ができないかと思いはじめたんです。

 

 

松尾 私は、もともとファッション関係の仕事をしていました。2011年に関東大震災が起きて、暮らしから遠ざかった娯楽としての服を売ることに違和感を感じはじめました。さらに報道で悲惨な原発事故で福島の人たちが苦しんでいるのをみて、東京の経済のあり方に疑問を感じたんですね。

東京にいる自分はそんなに大きな痛手を追っていないけれども、福島の人たちは命が奪われ、文化や暮らしが壊されてしまった。東京で電力を使っている私にも責任がある。

顔が見えない大きな経済よりも、地域に根ざした小さな経済が環境問題も解決する、そう思って、渋谷に住みながら都市農園に参加したり、プロジェクトベースでまちの問題を解決する方法を模索しています。

 

 

アースデイに関わるようになったきっかけは?

 

河野 海でのビーチクリーンやまちづくりの活動に関わっていくなかで、山で活動する「猟師」さんとの出会いがあったんです。高齢化に伴って猟師人口が減少していることもあって、イノシシや鹿が農村に降りてきて、年間およそ200億円の被害になってしまっています。そこで「狩猟に関わる人を増やすためにイベントをやりたい」という想いから、猟師さんと一緒に活動をはじめました。

猟に関わってから4年になるのですが、初年度に比べて捕獲数が増えています。戦後の拡大造林やリゾート化などの影響で森の荒廃が進んでいて、動物たちの餌が無くなり、人里に降りてくるようになっているんです。

 

 

そのような背景から森が荒れはじめると、川から海に流れる栄養分が届かなくなり、魚介類やプランクトン、海草など海全体の生物が育たなくなる。「海の豊かさは森の豊かさがイコールなんだ」ということを、狩猟に関わるようになって初めて知りました。

ここではじめて「海」と「山」って結局繋がっているということを目の当たりにしたんです。だからこそ包括的な環境活動に関わりたいと思って、アースデイ東京の事務局として働いています。

 

松尾 私は8年前、実際にファッション業界の外に出てみて、食への興味から農や環境問題に触れる機会が増えて。そこでいろいろな問題が相互に関係し合いながら社会ができているという、俯瞰した視点を持つようになりました。ひとつの問題だけを解決しても、社会全体は良くならない、そう思ったんです。

だから、さまざまなセクターの人が包括的に問題を理解して一緒に取り組まないと、社会の問題は解決できないと思ったんです。そのときに出会ったのが、国連が出した持続可能な世界を実現するための目標「SDGs」でした。

それと、ずっとライターをやりながら記事を通して問題を発信することに限界を感じていたんです。相手の反応が見えづらいし、どうしても一方通行になってしまうことが多い。だから記事を書くだけでなくて、行動を変える体験やきっかけを渡す場が必要だと思っていました。

社会的な問題を包括的な視点で、かつ楽しみながらたくさんの人に発信できる場が、アースデイ。そこで2018年秋からアースデイに参加することになったんです。

 

アースデイはどんな場所?

4月22日の近くの土日で開催されるアースデイ東京には、2日間でおよそ12万人が来場します。

 

松尾 私たちの日々の暮らしと世界中に起こっているさまざまな問題は、密接に結び付いています。石油などの化石燃料、食、金属、衣服など、私たちが日常で当たり前に使っているものが、世界紛争や人権侵害、環境破壊に繋がっている。それを理解するのに「SDGs」が役立ちますし、それを学び、行動する場としてアースデイ東京があると思っています。

そういった社会の問題は、どうしても「かたい」「難しそう」といったイメージを持たれがちですけど、アースデイでは楽しみながら学ぶことができるんですね。気軽にお買いものや食事をしにきがてら、NPOやNGOさんのブースにフラッと寄ってみたら、世界の現状を知ることもできる。ステージの音楽を聴きながら、いろいろな人のメッセージに触れることができる。

 

アースデイ東京では2018年から「SDGs」に取り組み、ブースに旗を掲げたり、チラシにゴールを記載しています。

 

河野 アースデイ東京は、環境に関連するさまざまな団体と実行委員会で成り立ち、今では200以上の出展がある日本最大の環境イベントになりました。アースデイ東京は、地球市民の出会いの場であり、対話の場だと思っています。

いまはネット上でのメッセージのやりとりが多くなっていますけど、それってほぼ一方通行じゃないですか。それが「場所」があることでより会話が生まれる。言葉だけでない交流ができる。

環境活動は目指すゴールは同じなのに、アプローチはまったく違うということがよくあると思うんです。そのアプローチを批判し合うのではなくて、対話からお互いを理解し合う。それは会って話す方がいいと思うんですね。そこから新しいパートナーシップをつくっていく。そういう場所だと考えています。

 

 

SDGsへの取り組みについて

 

河野 SDGsは、昨年のアースデイの実行委員会の中で自然発生的に出てきたテーマでした。アースデイ出展者は、SDGsの17項目すべてに何らかのかたちで関わっていることもわかって、これはアースデイ東京として取り組む必要性があるんじゃないかってことになったんです。

最近では、学生さんたちと「SDGs for school」という取り組みをはじめています。学生さんたちが目標ごとに立ち上げたプロジェクトを発表してもらったり、アースデイ東京のお買いもの袋をオーガニックコットンのトートバックにして、そこにSDGsのロゴを彫った消しゴムハンコを押して持って帰ってもらえる仕組みをつくったりしています。

 

 

松尾 アースデイ東京では、特にSDGsの「12番」に取り組んでいます。12番は「つくる責任つかう責任」。誰がどのような環境でつくっているものなのか、そのものがどこから来て、どこへ行くのかを知ることができる場所です。

それにアースデイは、そこに関わる問題を、NPOやNGOさんから深く学ぶことができる場所でもあります。SDGsのどの目標と合致しているかわかるように、出展ブースに旗を飾ってもらったり、チラシやパンフレットに目標を当て込んだり。日々の暮らしのなかで何ができるかをみんなで考える、SDGsの勉強会を行っていたりもします。

 

アースデイ東京が目指す、持続可能な未來は?

 

エコロジカルフットプリントから「地球一個分の暮らし」を考えたオープンミーティングの様子

 

河野 アースデイ東京の目標のひとつとして「アース・オーバーシュート・デー」を超えないような状態をつくっていくためのアクションを生み出すことを掲げています。

「アース・オーバーシュート・デー」は、人間による天然資源の消費量が、地球による生態系サービスの生産量を超えてしまう日のことです。いま世界のアース・オーバーシュート・デーは 8月1日なんですけど、日本はなんと5月10日。日本は贅沢しすぎなんです。これを 1 年で使い切る、もしくは貯金をするくらいのところまで持っていくっていうのが目標です。

 

松尾 このアース・オーバーシュート・デーと一緒に語られるのが「エコロジカル・フットプリント」です。いま日本の生活水準を全世界の人がすると、地球が「2.9個」必要だと言われています。

こういった視点を持って、持続可能な社会や平和な世界を目指す必要があるのではないかと思っています。SDGsが達成された状態ってどういうもので、そのためにはどのように生活していくべきなのか。

WWFさんのレポートでも、エコロジカルフットプリントの約7割が日々の暮らしから生じているとあります。それを考えることが重要で、たくさんの人と希望を持って行動できる場所に、アースデイをしていきたいなって思います。

 

今後2人がアースデイで取り組んでいくことは?

 

松尾 誰でもみんな豊かになりたくて生きているし、幸せになりたくて働いているのに、便利さに目が向いて、本当に社会や自分に何が必要で、何があれば豊かになるか、本心からの選択ができている人が少ないように感じています。それに、気づかないうちに誰かの犠牲の上に成り立っているものを、みんなで「消費」してしまっている現状もある。

未来描きたい社会のために、私たちは何を選択すれば “真の豊かさ” を実現できるのか?そういった問いを、アースデイで投げかけていきたいですし、そういったメッセージをアースデイに参加している企業、団体さんと一緒に協力しながら、たくさんの人に届けたいって思っています。

 

 

河野 日本では、環境活動っていわゆる「意識高い系」の活動というイメージが少なからずあると思うのですが、そのスタンスを変えていきたい。カッコよくてキャッチーでライフスタイルそのもの。そんなイメージを抱くことができれば、地球のことを考えて行動する市民がもっともっと増えてくるんじゃないかって思うんです。

僕はエリートでもないし勉強は嫌いだし(笑)欲望に負けてしまうことも未だにあります。それでもアースデイ東京に関わるようになって、環境や自然を守るということを少しずつ「自分ごと」にできるようになってきました。それでいいと思っています。

次世代の子どもたちが幸せに暮らせる地球環境であり続けるために、企業や個人、市民団体、行政とさまざまなパートナーシップを生み出して、少しずつ変化を促していきながら、やがて大きなうねりにしていきたいです。

 

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